小学生が中3英語に自然に答えられる理由

英語教室


こんにちは。ABC Kids World の中村 香奈子です。

いきなりですが、私の母は、83歳になります。

今も現役のピアノ講師で、講師歴は、なんと60年。

私が子どもの頃、ピアノの先生としての母は、それはもう厳しい先生でした。

「これは、まだこの子には早いだろう」

という概念をあまり持ち合わせていなかったようで、今思えば、

「いやいや、それは、無茶ぶりでしょ、、、」

と思うようなことを、平然と求められることがありました。

当然、私はすぐにはできません。

できないことが悔しくて、泣きながら練習したことも何度もありました。

今振り返ると、あれは、少し力を育ててくれた経験の一つだったのかもしれません。

今、こうして英語やピアノに関わる仕事を続けていられるのも、最初から「ここまで」と線を引かずに難しいことにすぐ諦めずに挑戦させてくれた母のおかげなのだと思います。


私も教室の生徒さんに対して、

「まだ小さいから、これは難しいだろう」

「この年齢なら、ここまでで十分」

と、最初から線を引かないことを大切にしています。

もちろん、難しいことをできるまで歯を食いしばってやらせるという意味ではありません。

一人ひとりの年齢や理解度、その日の表情、クラスの様子を見ながら、普通は「少し先」と思えることでも自然に触れられるようにしています。

たとえば、英語のレッスンで使う、こんな質問があります。

“Have you ever been to a haunted house?”
(お化け屋敷に行ったことがありますか?)

文法的には、中学3年生で学習する現在完了形の内容です。

私は、この表現を小学校低学年クラスでも普通に使うことがあります。

もちろん、

「haveと過去分詞を組み合わせて、経験を表す現在完了形です」

という説明はしません。

けれど、日本語では、園児のお子さまでも、

「動物園に行ったことがある」

「海に行ったことがある」

「お化け屋敷には行ったことがない」

という表現を、日常生活の中で普通に使っています。

それならば、英語でも、生活の中で使う表現として聞かせてあげればよいのです。

子どもは、繰り返しの中から意味をつかみます。

レッスンの中で、

“Have you ever been to …?”

という表現を繰り返し聞いていると、子どもたちは少しずつ、

「これは、『行ったことがある?』と聞いているんだな」

と意味をくみ取れるようになります。

最初は、意味を聞いたり、周りの子の反応を見ながら答えているかもしれません。

けれど、何度も耳にしているうちに、日本語に訳さなくても、瞬時に、

“Yes!”

“No!”

と答えられるようになっていきます。

実は、私は、

“Have you ever been to …?”と聞かれたら、「行ったことがある?」と聞かれているんだよ

と、先に伝えてしまうこともあります。

意味を理解したうえで何度も使っていると、英語の形そのものが、子どもたちの中に自然に残っていきます。

時々、レッスンの動画をご覧になった保護者さま方から、

「こんなに難しそうな英語が分かるのですか?」

「日本語で説明していないのに、すぐに答えていて驚きました」

と、おっしゃっていただくことがあります。

子どもたちは、大人が思っている以上に、言葉をよく聞いています。

先生の表情や動き、絵、前後の流れなどを手掛かりにしながら、英語の意味をつかんでいきます。

私たちも、幼い頃、日本語の文法を説明されてから話し始めたわけではありません。

周りの人が使う言葉を何度も聞き、場面と結びつけながら、少しずつ言葉を身につけてきました。


英語も、それと同じです。

また、保護者の方から、

「うちの子には、まだ難しいのではないでしょうか」

「そんな英語、分からないと思います」

と言われることがあります。

そんな時、私は、

「大丈夫です。必ず少しずつ分かるようになりますから」

とお伝えしています。

もちろん、一度聞いただけですぐに使えるようになるわけではありません。

けれど、分からないから聞かせないのではなく、分かるようになるまで、楽しく繰り返し聞かせてあげる。

それが大切だと考えています。

子どもの上に、見えない蓋を置かない


「ノミのジャンプ」の、よく知られたたとえ話があります。

高く跳ぶことができるノミを、蓋のついた容器の中に入れておくと、何度も蓋にぶつかるうちに、蓋に当たらない高さまでしか跳ばなくなる。

そして、蓋を外したあとも、その高さまでしか跳ばなくなってしまう、という話です。

この話を聞くと、私たち大人も、知らず知らずのうちに、子どもの上に「見えない蓋」を置いてしまうことがあるのではないかと思います。

「まだ小さいから無理」

「この子には難しい」

「失敗したらかわいそう」

大人は、子どもを守りたいからこそ、そのように考えます。

けれど、その思いが、子どもの挑戦する機会を奪ってしまうこともあります。

簡単なことだけを与えることが、必ずしも子どものためになるとは限りません。

少し難しい。

でも、先生と一緒ならできるかもしれない。

何度か繰り返せば、分かるかもしれない。

そのくらいの課題に出会い、できなかったことができるようになった時、子どもたちは大きな自信を手にします。

英語で、先生の質問に答えられた時。

今まで読めなかった英単語を、自分の力で読めた時。

子どもたちの表情は、本当にうれしそうに輝きます。


そして、

「私にもできた」

「もう一回やってみたい」

「次は、もっと難しいことにも挑戦したい」

という気持ちが生まれます。

この小さな「できた!」の積み重ねは、英語の力を伸ばすだけではありません。

新しいことに挑戦する力。

すぐに諦めず、工夫する力。

自分のことを信じる力。

そうした、これから先を生きていくうえで大切な力にもつながっていきます。

子どもの可能性を信じることと、無理をさせることは違います。

大切なのは、その子の様子をよく見ながら、

「今、この子には、どのような方法で伝えたらよいだろう」

「どのくらいの課題なら、楽しみながら挑戦できるだろう」

と考えることです。

そして、大人が先回りして、「この子にはできない」と決めないこと。

当教室では、子どもたちの上に「見えない蓋」を置くことなく、一人ひとりが持っている力を、できる限り伸ばしていきたいと思っています。

「まだ早い」と遠ざけるのではなく、

「どうしたら、この子が楽しく理解できるだろう」

と考える教室でありたい。

英語や音楽を通して、

「分かった!」

「できた!」

「もっとやってみたい!」

という気持ちを、たくさん経験してもらえるように。

これからも、一人ひとりの力を信じながら、丁寧にレッスンを重ねてまいります。

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